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木造と鉄骨、どっちがいい?違いは?メリット・デメリットで比較

木造と鉄骨、どっちがいい?違いは?メリット・デメリットで比較

一戸建ての住宅は、さまざまな部材や設備を取り換えながら、長期間住み続けることができます。しかし、構造はあとから変えられません。 構造を変更したい場合は、建て替えるしかないのです。だからこそ大事な部分であり、どっちにすべきか悩む方が少なくありません。 本稿では、一戸建ての住宅に多く採用されている木造と鉄骨造の違いをご説明します。どっちにしようか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

木造(W造)住宅の特徴と長所・短所

木造住宅の特徴

建物の骨格となる部分を「構造」と言います。構造は、材料や組み立て方の違いによっていくつかの種類に分類できます。

日本の住宅に使われている主な構造は、以下の4つです。

・木造(W造)
・鉄骨造(S造)
・鉄筋コンクリート造(RC造)
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

ちなみに『平成30年 住宅・土地統計調査』によると、一戸建て(2876万戸)の「92.5%」を木造住宅が占めるそうです。

では、なぜ一戸建て住宅はほぼ木造なのでしょうか。木造住宅と鉄骨住宅の特徴から読み解いてみましょう。

木造住宅の特徴

木造住宅とは、その名のとおり主な構造部分に木材を用いた住宅を指します。木造の住宅にもいくつか建て方があり、日本では主に次の2つが採用されています。

・在来工法(木造軸組工法)
・ツーバイフォー工法(木造枠組壁構法)

この2つの工法はどちらも「オープン工法」と呼ばれ、一般公開されている、どこの建築会社でも使える工法です。

オープン工法で建てられた木造住宅は、まんがいち施工会社が廃業しても、他の会社でリフォームできます。ですから、柱や梁(はり)を交換しながら、100年以上住み継ぐことができるのです。

もう少し詳しく、2つの工法の解説をしておきましょう。

・在来工法(木造軸組工法)の特徴

在来工法は、日本古来の「伝統工法」を現代的に簡略化した工法です。日本ではもっともポピュラーな工法で、木造住宅の7割以上に用いられています。

在来工法の構造は、線材(縦の柱・横の梁・斜めの筋交)で構成されています。柱と梁の接合部は複雑な加工をほどこして継ぎ、金物で留めて補強します。

ツーバイフォー工法と比べると建築ルールが厳密ではなく、設計の自由度が高い工法です。ただし、裏を返すと「施工会社によって品質の違いが出やすい」とも言えます。

・ツーバイフォー工法(木造枠組壁構法)の特徴

ツーバイフォー工法は、木造住宅の2割に用いられている北米由来の工法です。北米らしい合理的な工法で、熟練の大工でなくとも建てられるようになっています。

在来工法の構造は「線材で構成される」とお伝えしましたが、ツーバイフォー工法は面材で支える構造になっています。面材にした「床・壁・天井」で箱をつくるようなイメージです。

建築ルールが国土交通省の告示(1540号1541号)によって厳密に定められていますので、在来工法より建築の自由度が下がります。その反面、品質や性能が安定しやすい工法です。

木造住宅のメリット

つづいて、木造住宅の長所を3つご紹介します。

1)軽い

まず、なんと言っても木造は鉄骨造より軽量です。構造が軽いと、一戸建ての住宅としては以下の2つの点で有利になります。

・耐震
・コスト

建物が地震から受ける力は、建物の重さや高さに比例します。つまり、総重量が軽い建物のほうが地震のときにかかる力が小さくなりますので、鉄骨造より木造のほうが耐震面では有利です。

軽い木造は、地盤への負担も少なくて済みます。ですから、軽度の地盤補強で済むケースが多く、鉄骨造より補強工事のコストがかかりません (改良不要の現場も多い)。

2)環境にとってエコ

木材は、鉄に比べて以下の点でエコです。

・持続可能な資源
・建設や製造時のCO2排出量が少ない
・温室効果ガス削減に貢献できる

木材は持続可能な資源で、苗木を植えることで再生産できます。一方、鉄は有限ですので、リサイクルしなければいずれ枯渇します。

また、木造住宅は建設・製造時のCO2排出量が鉄骨造住宅の6割程度で済みます。樹木は大気中の二酸化炭素を吸収固定しますので、温室効果ガス削減にも貢献できます。

参考:木造建築物の一般特性

現在、さまざまな業界が脱炭素化を図っており、建築業界も例外ではありません。そんな中で、CO2を建物に固定できる木造ビルがにわかに脚光を浴びています。

木材は、産地の文化や矜持の醸成にも役立っています。「うちの家は◯◯産のヒノキを使ってる」といった表現は、木材ならではです。鉄鋼では、あまり聞くことがありません。

このように、木造住宅が環境負荷の軽減や地方創生に果たす役割は大きいのです。

3)構造躯体の断熱性が高い

鉄骨は熱伝導率が高く、外気の熱を住宅の内側に伝えてしまいます (これを「熱橋」と言う)。よって、断熱上不利で、空調のためにより大きなエネルギーが必要になります。

空調に大きなエネルギーが要るということは、光熱費が余分にかかるということです。結露の発生も気をつける必要があり、構造体にしっかりとした断熱が求められます。

一方、木材は熱伝導率が低く、優れた断熱性を持っています。ですから鉄骨より熱橋になりにくく、構造材の間に断熱材を充填するだけで、ある程度の断熱性を確保できます。

木造住宅のデメリット

つづいて、木造住宅の短所を3つご紹介します。

1)性能や品質にムラが出やすい

木材は、樹種や品質によって強度に大きな違いがあります。ですから、鉄骨と異なり、材料強度や意匠性が1本1本違うのです。

また、木造住宅は鉄骨住宅に比べて現場加工が多い傾向があり、施工品質の職人依存度が高くなります。ですから、性能や品質はできるだけ客観的な数値で確認していただく必要があります。

たとえば、耐震性であれば耐震等級。断熱性であればUA値やQ値。気密性であればC値が参考になります。

2)調達に計画性が必要

木材は自然素材であり、流通過程が複雑です。山から伐採したあと時間をかけて乾燥をおこない、製材所へ運び、加工する必要があります。

また、樹木の成長には長い年月が必要で、植えてすぐに使えるわけではありません。このような状況から、木材は特需が発生したときに即対応ができないのです。

その典型例が、ウッドショックです。現在コロナ禍やロシア発のウッドショックの影響で、一部の木材が手に入りにくく、工期延長や木材価格の高騰を招いています。

3)腐朽・蟻害への配慮が必要

木材は鉄鋼と違い、シロアリや腐朽菌によってダメージを受けます。木材の寿命を延ばし、構造を長期間活用するには、以下に注意する必要があります。

・環境にのっとって適切に使用すること
・通風や通気性を確保すること
・定期的に維持管理をおこなうこと
・蟻害や腐朽を発見したら、早く対処すること

ちなみに、鉄骨はサビたりボルトが劣化したりしますので、耐久面で全く問題がないわけではありません。住宅は、構造材にあわせた劣化・腐朽対策が必要です。

なお、創建ホームでは高い強度のヒノキだけを厳選して、構造にその芯持ち材だけを採用しています。木から一本しか取れない貴重な真持ち材は、耐久性に加え、防菌・防カビ・殺虫作用にも優れます。

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鉄骨造(S造)住宅の特徴と長所・短所

鉄骨造住宅の特徴

つづいて、鉄骨造の特徴や長所・短所をご紹介しましょう。

鉄骨造住宅の特徴

鉄骨造住宅とは、柱や梁などの骨格に鉄骨を使って建てる住宅のことです。「Steel」の頭文字を取って「S造」と記載されることもあります。

鉄骨造は、使用する鋼材の厚さによって以下の2種類に分けられます。

・重量鉄骨造:鋼材の厚さが6mm以上
・軽量鉄骨造:鋼材の厚さが6mm未満

重量鉄骨は、主に3階建て以上のビルやマンションの構造に用いられます。2階建てまでの鉄骨造の一戸建て住宅やアパートは、軽量鉄骨造のものがほとんどです。

もう少し、重量鉄骨造と軽量鉄骨造の特徴をご紹介しましょう。

・重量鉄骨造の特徴

重量鉄骨造住宅では、主に「重量鉄骨ラーメン工法」が用いられています。ラーメン(ドイツ語)は「枠」を意味する言葉で、ラーメン工法では柱と梁を剛接合して枠をつくり組み立てていきます。

ラーメン工法は筋交や耐震壁が必要ないので、大きな窓や広い空間をつくるのに適しています。間取りの自由度が高い構造、と言えるでしょう。

・軽量鉄骨造の特徴

軽量鉄骨造住宅では、主に「軽量鉄骨ブレース工法」が用いられています。この工法の構造は「柱・梁・筋交 (ブレース)」で構成されますので、在来工法の鉄骨版と考えていただくとよいでしょう。

鉄骨造住宅はほとんどが「プレハブ(prefabrication)住宅」で、主要な部材を工場で加工・製造して、現場で組み立てて完成させます。

鉄骨造住宅のメリット

つづいて、鉄骨造住宅の長所を3つご紹介します。

1)強度が高く、粘り強い

鉄鋼と木の違いで真っ先に思いつくのが、強度や粘り強さでしょう。それぞれのヤング係数(材料の強度や弾性を表す指標のひとつ)は以下のとおりです。

・鋼材:205,000[n/mm²]
・木材:7,000~12,000[n/mm²]

やはり、圧倒的に鋼材の強度が高く、粘り強いです。では耐震性はどうかと言うと、木造でも相当に強くできます。

これは、耐震性において木材の軽さが有利に働くからです。木造でも耐震等級3にすると、学校や消防署に要求される耐震性能と同等になりますので、鉄骨造と比べてとくに見劣りしないでしょう。

耐震等級に関しては、以下の記事でもご紹介しています。詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

耐震等級3なら倒壊しない?これからの耐震ニューノーマルを考えよう

2)安定した品質かつ短工期で施工できる

先述のとおり、鉄骨造はプレハブ工法で建築します。ですから。現場加工が少なく、品質が安定化するうえ工期が短くなります

ちなみに、木造住宅は完成まで3~6ヶ月程度かかりますが、鉄骨住宅は2~5ヶ月程度で完成できます。工期は人件費に影響しますので、コスト面では短工期のほうが有利です。

3)火災保険が安くなる

火災保険の保険料は、建物の柱の種類に着目して判定をおこないます。住宅の場合は以下のように3つに分類されていて、下に行くほど保険料が高くなります。

M構造(コンクリート造、れんが造、石造、耐火建築物の共同住宅など)
T構造(鉄骨造、コンクリート造、れんが造、石造、耐火建築物の共同住宅以外、準耐火建築物、省令準耐火建物など)
H構造(M構造、T構造に該当しない建物)

上述のとおり鉄骨造は「T構造」ですので、火災保険が安くなります。一般的な木造は「H構造」で、T構造と見なされるには「耐火建築物・準耐火建築物・省令準耐火建物」にする必要があります。

損保会社や加入期間によって変わりますが、T構造はH構造の2/3~1/2程度の保険料で加入できます。

鉄骨造住宅のデメリット

つづいて、鉄骨造住宅の短所を3つご紹介します。

1)設計の自由度が低い

先述のとおり、鉄骨造住宅はプレハブ工法で建てています。プレハブ工法は生産の合理化や住宅の均質化が図れる反面、設計の自由度が下がりますので、特殊なオーダーが苦手です。

プレハブ住宅の家づくりでは、一部の建材は選択肢やオプションが設けられていて、カスタムメードのような仕組みで設計を進めていきます。

オーダーメードのような自由度を求めると、対応してもらえないか、高額な費用がかかります。個性的な家にしたい方には、木造のほうが向いているでしょう。

2)価格が高くなる傾向がある

本来、プレハブ工法は現場加工の工法と比べて生産が合理的で、コストダウンできます。しかし、プレハブ住宅が安いかと言うとそうはなっておらず、どちらかと言えば高価格帯です。

これにはいくつかの要因がありますが、鉄骨の調達コストが高いこともそのひとつでしょう。さらに、プレハブには生産工場の設備投資や型式適合認定の取得費も必要です。

既出のとおり、地盤補強の費用も木造より高くなりがちです。これらは住宅の質に直接影響せず、消えてなくなる費用です。ですから、コストパフォーマンスは木造のほうが有利と言えるでしょう。

3)施工できる建築会社が少ない

鉄骨は木材よりも加工が難しく、プレハブのための工場や設備費用が必要です。ですからほぼ、全国展開しているような大手ハウスメーカーしか取り扱うことができません

また、大ざっぱに言うと「鉄骨造=プレハブ工法=クローズド工法 (一般公開されていない企業秘密の工法)」ですから、原則的に建てた会社しかリフォームできません

よって、修繕しながら長く住み継いでいきたい方には、オープン工法の木造住宅のほうが適しているのではないでしょうか。


構造(木造/鉄骨造)の選び方

構造の選び方

最後に、構造の選び方のヒントをご紹介したいと思います。木造と鉄骨造、どちらにしようか迷っている方は参考にご覧ください。

鉄骨造はこんな人におすすめ

鉄骨造は、以下の方に向いています。

・防火地域で家を建てたい方
・3階建てを建てたい方

防火地域内の建物は、耐火建築物にしなければなりません (延床面積が100m²以下の小規模なものを除く)。3階建ても、耐火建築物にする必要があります。

一戸建ての住宅を耐火建築物にするなら、鉄骨造のほうが有利です。木造を耐火建築物にするのは手間がかかるため、工期やコストがかさみます。対応できない建築会社も、少なくないでしょう。

なお、耐火建築物の定義は「建築基準法 第2条9項の2」に。要件は「建築基準法施行令 第108条の3」に定義されています。上述の家を建てる予定の方は、ご一読いただくとよいでしょう。

参考:建築基準法 第2条9項の2「耐火建築物」
参考:建築基準法施行令 第108条の3「耐火建築物の主要構造部に関する技術的基準」

従来、耐火建築物を木造で建てることはできませんでした。しかし、木造技術の進歩と法令や告示の改正で、防火地域の家や3階建ての家が建てられるようになりました。

今後は、省エネ性や持続可能性の観点から、耐火建築物にも木造が増えると思われます。中小規模の木造ビルに注目が集まっているのも、そのような流れの現れです。

木造はこんな人におすすめ

木造は、以下の方に向いています。

・エコな家を建てたい方
・建築費を抑え、高コスパの家を建てたい方
・地盤が弱い地域で家を建てたい方
・修繕しながら、家を長持ちさせたい方
・個性的な設計の家を建てたい方

上述の項目は、いずれも木造が有利です。冒頭で「一戸建て住宅は、ほぼ木造」とお伝えしましたが、木造は戸建て住宅に向いている構造、と言えるのではないでしょうか。

上述の項目にピンときた方には、木造住宅をおすすめします。


【まとめ】木造と鉄骨造、どっちがいい?

建物の「構造」に求められる性能は「強さ(地震や強風に耐える)、耐久性 (長持ちする)、施工性 (高性能のものがつくりやすい)、安さ (コストパフォーマンス)」などさまざまです。

大前提として「きっちり施工されている」なら、構造はどちらでも構いません。木造でも鉄骨造でも、住宅に必要な要件は満たせます。

どちらにするか迷ったときは、ご予算や敷地条件に応じて選択していただくとよいでしょう。UA値や耐震等級、構造計算の有無など、客観的に評価できるデータにもご注目ください。

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