更新 間取りのこと
「明るいリビングにしたいけれど、土地が狭いから日当たりが心配」⸺ そんなとき有力な選択肢になるのが「2階リビング」です。
でも、「階段の上り下りが大変そう」「老後は大丈夫かな？」と不安に思う方も少なくないでしょう。大切なマイホームづくりで「後悔」はしたくないですよね。
本稿では、2階リビングのメリット・デメリット、失敗しないための「間取りと家づくりのポイント」を分かりやすくお伝えします。家づくりのヒントになれば幸いです。
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2階リビングには、1階リビングではなかなか得られないメリットがたくさんあります。なぜ多くの人がこの間取りを選ぶのか、5つのポイントに整理して見ていきましょう。
▸日光を効率的に取り込め、お部屋が明るくなる
▸通行人の視線が届きにくく、気兼ねなくカーテンを開放できる
▸コンパクトな土地（狭小地）でも駐車スペースを設けやすくなる
▸1階の柱や壁を増やせるため、家の構造が安定しやすい
▸ロケーションによっては良好な眺望が期待できる
さっそく、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
リビングを2階に配置すると、1階に配置するよりも格段に日当たりがよくなり、お部屋全体がパッと明るくなります。
住宅が密集している場所でも、2階なら周りの建物の影になりにくいですよね。冬でも太陽の光が奥まで差し込み、ポカポカと暖かい空間になりますよ。
「今の住まいが暗くて困っている」という方は、ぜひ2階リビングの明るさをモデルハウスなどで体感してみてください。
2階リビングなら、外からの視線が気になりにくく、プライバシーをしっかり守れます。
2階リビングは、道路の通行人の視線が届かないため、カーテンを開けて過ごせます。人目を気にせず、部屋着のままのんびりリラックスできるのが大きな魅力です。
道路からの視線が気になりそうな土地を検討しているなら、2階リビングを第一候補に入れてみてはいかがでしょうか。
リビングを2階にすると、限られた敷地を有効に使い、駐車スペースを確保しやすくなります。
リビングは面積をとりがちです。2階に持っていくことで、コンパクトな土地でも1階に駐車スペースやビルトインガレージを設けられます。
ビルトインガレージについては、以下の記事でも解説しています。ご興味がある方は、あわせてご覧ください。
》ビルトインガレージは後悔しやすい？注意が必要な事例と対策を紹介
》ビルトインガレージ付き3階建ての長所・短所は？価格は高くなる？
リビングを2階にすると、地震に強く、安定した家をつくりやすくなります。なぜなら、耐力壁（地震や風圧に対抗するために必要な壁）の量とバランスを確保しやすくなるからです。
リビングは広い空間が必要で、どうしても壁が少なくなります。壁や柱の少ない大きな空間が1階にあると、地震に耐えられるようにより配慮が必要です。
▸2階 ⇒ 屋根にかかる力に耐える必要がある
▸1階 ⇒ 屋根に加えて2階にかかる力にも耐える必要がある
リビングを1階に置くより、壁の多い個室を1階に複数配置するほうが家全体の安定感と耐震性が高まります。
「家族の安全を一番に考えたい」という方は、2階リビングの構造面にも注目してみましょう。
》耐震等級とは？1、2、3の違いを知って地震に強い家を建てよう
住宅密集地では、1階と2階で「窓から見える景色」が大きく変わることが少なくありません。リビングが2階にあれば、窓の外に広がる景色を毎日楽しむことができます。
1階からは隣家の壁しか見えなくても、2階に上がれば遠くの山や空が見えるでしょう。きれいな夜景や、遠くで開催されている花火大会も、リビングから見えるかもしれません。
土地の下見に行くときは、ぜひ「2階の高さからの景色」も想像してみてください。
よいことばかりに見える2階リビングですが、もちろん注意すべき点もあります。
住み始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないよう、あらかじめデメリットや注意点を知っておきましょう。
▸日常的に階段移動が必要になり、老後の負担が懸念される
▸夏場は熱がこもりやすく、室温が高くなりやすい
▸子ども部屋を1階に設けた場合、コミュニケーションが減りやすい
▸不審者の侵入に気づきにくく、防犯面で不安が生じる
▸ソファや冷蔵庫などの大型家具・家電の搬入が難しくなる
それぞれ詳しく解説します。対策もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
2階にLDK（リビング・ダイニング・キッチン）があると、1日に何度も階段を上り下りすることになり、将来的な足腰への負担が心配されます。
たとえば買い物袋を持って上がる、ゴミを持って下りる、来客のたびに応対するなど、生活のあらゆる場面で階段移動が発生します。
今の価値観だけで判断するのではなく、高齢になったときの生活スタイルも一度イメージして判断してみましょう。
2階は、1階に比べて夏場は暑くなりやすい傾向があります。そうなる主な理由は、以下の2つです。
▸温かい空気は上にたまる性質がある
▸直射日光の熱を屋根がダイレクトに受けてしまう
2階のリビングは、冷房が効くまでに時間がかかることもあります。
夏の昼間に、実際に2階の室温がどう変化するか、見学会などで確認してみるのがおすすめです。「ちゃんと2階も涼しい家」を建ててくれる建築会社を見つけましょう。
リビングを2階に配置すると、意識しないと「家族が顔を合わせる機会」が少なくなってしまう恐れがあります。
お子さまが帰宅してそのまま1階の自室に入ってしまうと、2階にいる親とのコミュニケーションが減る ⸺ ということが起こりやすくなります。
家族のコミュニケーションをどうつくるか、お子さまの成長を想像しながら、あらかじめ考えておきたいですね。
2階で過ごしていると、不審者が敷地に侵入しても気づかないリスクがあります。2階が賑やかなら、1階の異変に気づくのも遅れるかもしれません。
2階にいる時間が長くなるからこそ、1階の防犯対策をどうするか検討してみましょう。
2階リビングは、大きな荷物を運び入れる際、手間やコストがかかる場合があります。
階段の幅や曲がり角が狭いと、大きな冷蔵庫やソファが通らないかもしれません。その場合、クレーン車で吊り上げる必要があり、追加費用が発生してしまいます。
購入したい家具や家電のサイズを事前に把握し、搬入ルートを計算に入れておくことが大切です。
デメリットを見て不安になった方もいるかもしれませんが、大丈夫です。間取りや家づくりの工夫で、ある程度は解決できます。
後悔しない家にするための具体的な5つの対策をご紹介します。
▸ホームエレベーターの後付けが可能なスペースを確保しておく
▸屋根や外壁などの断熱性能を上げ、外気の影響を受けにくくする
▸学習スペースを2階に配置するなど、家族が2階に集う工夫をする
▸人感センサー付き照明、防犯カメラなどを外構に設置する
▸緩やかで登りやすい階段にして、安全性を高める
順番に詳しく解説していきましょう。
老後や足腰が弱ったときに備えて、エレベーターを設置できる場所をあらかじめ取っておくと安心です。
上下階の同じ位置に「1畳分ほどの収納スペース」をつくっておけば、将来必要になったときに最小限の工事でエレベーターを設置できます。これだけで、老後の不安はグッと減ります。
設計士に「将来エレベーターを入れられるようにしたい」とひと言伝えてみてください。
夏の暑さを防ぐために、家全体の「断熱」と「遮熱」を強化しましょう。外気の影響を受けにくくなります。
屋根にしっかり断熱材を入れたり、遮熱効果の高い窓ガラスを選んだりすることで、外気の熱をシャットアウトできます。省エネ性も高まり、冷暖房費も下がりますよ。
「断熱等級」など、その会社がどれくらい「夏や冬に強い家」をつくっているか数字で確認してみましょう。
リビングを2階に配置するなら、自然と家族がリビング周辺に集まる仕組みを間取りに取り入れてみましょう。
リビングの一角にカウンターデスクをつくったり、2階に家族共有の収納を設けたりすることで、お子さまも自然と2階で過ごすようになるでしょう。
自然に顔を合わせる「動線」をつくることが大切です。リビング周辺に家族が集まる機能をプラスできないか考えてみましょう。
》ファミリークローゼットがある間取りのアイデアと、収納方法の実例
1階のセキュリティーに不安がある方は、2階にいても安心できるよう、防犯設備で1階をガードしましょう。
人が近づくと点灯する照明や、スマホで確認できる防犯カメラがあれば、1階の様子を把握しやすくなります。物理的な鍵だけでなく、防犯設備で「近づきにくい家」にすることが有効です。
センサーライトや防犯カメラをどこに置けば効果的か、建築会社と一緒に配置を確認してみてください。
毎日の移動をラクにするために、階段のデザインにこだわってみてはいかがでしょうか。
階段の一段の高さ（蹴上げ）を低くし、踏む場所（踏面）を広くすることで、上り下りがラクになります。途中に踊り場をつくれば、万が一の転倒時も安心です。
展示場の階段を実際に上り下りして、自分が「ラクだな」と感じる寸法を見つけてメモしておきましょう。
2階リビングは、明るい光とプライバシーを手に入れられる素晴らしい選択肢です。一方で、階段移動や暑さといった課題もあります。今回ご紹介した「5つの対策」を取り入れ、カバーしましょう。
階段移動を減らしたい方、庭とリビングを一体で使いたい方には2階リビングは向いていないでしょう。一方、明るいリビングで過ごしたい方、狭小地でもプライバシーを守りたい方には向いています。
「2階リビング、いいかも！」と思えたら、建築会社に「自分たちの土地ならどんな間取りにできるか」を相談することから始めてみてください。あなたの理想が形になるのを応援しています。
創建ホームでも「2階リビングの家」を展開しております。広島県で新築を検討されている方は、ぜひ見学にお越しください。2階リビングのイメージが広がるはずです。
