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家づくりを考える中で、床材選びに悩む方が少なくありません。フローリングやクッションフロア、タイル、カーペットなど、種類が多くてどれを選べばいいのか迷いますよね。
さらに「お手入れがラクな床材は?」「ペットがいるけどキズに強いのは?」といった具体的な疑問も尽きないでしょう。床材は毎日の生活に直接関わる大切な要素だからこそ、慎重に選びたいものです。
本稿では、床材の種類や特徴、そして選ぶ際のポイントを詳しく解説します。あなたのライフスタイルにピッタリの床材を見つけるヒントをお届けしますので、ぜひ最後までチェックしてください。
目次 |
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さっそく、一般的な注文住宅でよく使われる床材を6種類ご紹介します。
・フローリング
・クッションフロア
・フロアタイル(塩ビタイル)
・カーペット
・畳
・タイル
それぞれ、もう少し詳しく解説しましょう。
フローリングは、木材を加工した床材です。大別すると《複合フローリング》と《無垢フローリング》の2種類に分けられます。
複合フローリングは、合板などの基材の上に、薄くスライスした天然木や化粧シートなどを貼り合わせた床材です。貼り合わせる材料により、以下の3つのタイプに分類されます。
・挽板張り:2~3mm程度の厚みの天然木を合板に貼り合わせたもの
・突板張り:1mm以下の薄い天然木を合板に貼り合わせたもの
・シート張り:木目調の化粧シートを合板に貼り合わせたもの
一般的に質感や風合いは挽板(ひきいた)張りがもっとも高く、突板(つきいた)張り、シート張りの順に下がります。価格も同様に、挽板張り・突板張り・シート張りの順に安くなる傾向があります。
複合フローリングには、以下のメリットがあります。
・機能が豊富で、種類が多い
・メンテナンスがしやすい
・床暖房に対応している製品が多い
・高価なものから安価なものまで、価格帯が広い
・無垢フローリングに近い質感の商品もある
一方、複合フローリングには以下のようなデメリットがあります。
・キズ付いた場合、修復しづらい
・踏み心地がやや堅く、冷たい
・シート張りは、経年変化を楽しめない
複合フローリングは、一般的な住宅でもっとも多用されている床材です。メンテナンスの容易さと機能性の高さが魅力で、ペット対応や床暖房対応など、さまざまな商品があります。
無垢フローリングは、天然木から切り出した一枚板をそのまま使用した床材です。
無垢フローリングには、以下のメリットがあります。
・質感や風合いがよく、経年変化を楽しめる
・肌ざわりが優しい(樹種によって違いがある)
・キズ付いた場合、研磨で目立たなくできる
・断熱性が高く、足元が冷たくなりにくい
・湿度を調整する効果がある
一方、無垢フローリングには以下のデメリットがあります。
・気候や経年により反りや隙間を生じる場合がある
・やや衝撃や加重に弱く、キズや凹みを生じやすい
・長時間水分に触れると、シミや変色を生じやすい
・床暖房に対応していない製品が多い
・樹種によっては、とても高価なものがある
・施工には技術が必要で手間がかかる
無垢フローリングは、ファンの多い床材です。その最大の魅力は、なんと言っても質感や風合い、そして肌ざわりでしょう。一方、価格やメンテナンスの手間を考慮する必要があります。
クッションフロアは、塩化ビニル素材でできたシート状の床材で、建築業界では「CF」とも呼ばれています。
クッションフロアには、以下のメリットがあります。
・表面が柔らかく、足腰への負担が少ない
・はっ水性や耐水性があるため、水回りに適している
・施工が容易で、DIYでもよく使用される
・バリエーションが豊富で、さまざまな色や柄がある
・他の床材と比べて安価な製品が多い
一方、クッションフロアには以下のデメリットがあります。
・表面が柔らかいため、重い家具を置くと跡が残りやすい
・強い衝撃に弱く、キズがつきやすい
・製品によっては、安っぽく見える場合がある
・高熱で変色したり変形したりする場合がある
クッションフロアは、コストを抑えたい場合に有効な選択肢となります。また、耐水性があることから、水回りの床材としてよく利用されています。
フロアタイルは、ポリ塩化ビニル(PVC)素材でできたタイル状の床材です。そのため「塩ビタイル」と呼ばれることもあります。
フロアタイルには、以下のメリットがあります。
・キズや凹み跡がつきにくい
・水に強く、汚れにくいため、メンテナンスが容易
・バリエーションが豊富で、さまざまな色や柄がある
・施工が容易で、DIYでもよく使用される
・比較的安価で入手できる
一方、フロアタイルには以下のデメリットがあります。
・クッションフロアのようなクッション性がない
・熱で膨張したり、たわんだりすることがある
・商品によっては、安っぽく見える場合がある
・強い衝撃で割れる恐れがある
フロアタイルは、価格を抑えつつ、デザイン性も両立させたい場合に有効な選択肢です。また、水に強いため、水回りの床材におすすめです。
カーペットは、柔らかい素材でつくられた敷物の一種です。ウールやナイロン、ポリエステルなど、さまざまな素材でつくられています。
カーペットには、以下のメリットがあります。
・クッション性が高く、足腰への負担を軽減してくれる
・比較的防音効果が高く、階下への騒音を和らげてくれる
・断熱性が高く、冬でも足元が冷えにくい
・滑りにくく、安全性が高い
・バリエーションが豊富で、さまざまな色や柄がある
一方、カーペットには以下のようなデメリットがあります。
・ホコリを吸着しやすく、ダニが発生しやすい
・清潔な状態を維持するには、こまめな掃除機がけが必要
・水分を吸収しやすく、汚れやシミ跡が残りやすい
・よく通る場所から先に毛がヘタりやすい
・車いすやキャスターの使用には不向き
カーペットは肌ざわりがよく、防音性やクッション性が高いため、寝室などのくつろぎの空間に適しています。
畳は日本の伝統的な床材で、主に天然のイグサを使ってつくられます。近年では、和紙や人工樹脂を使ったものもあります。
畳には、以下のメリットがあります。
・和風の優しく穏やかな雰囲気をつくり出せる
・天然のイグサを使ったものは、清々しい香りがする
・断熱性や保湿性が高く、触り心地が快適
・クッション性が高く、足腰への負担を軽減してくれる
・比較的防音効果が高く、階下への騒音を和らげてくれる
一方、畳には以下のデメリットがあります。
・数年ごとに裏返しや表替えが必要
・掃除機がけや拭き掃除など、維持に手間がかかる
・ダニやカビが増えやすい
・車いすでの使用には不向き
・水分を吸収しやすく、汚れやシミ跡が残りやすい
畳は、和室や客間などに向いた床材です。リラックスできる空間や、和の雰囲気を重視したい場合に適しています。
畳は、お昼寝にも重宝します (寝転がれる)。近年はモダンな和室にも似合う畳が人気です。
タイルは、陶磁器や石などの硬い素材でできた床材です。トイレやキッチンなどの水回りや、玄関の床材としてよく利用されます。
タイルには、以下のメリットがあります。
・色柄のバリエーションが豊富で、和洋どちらにも対応できる
・硬い素材でできているため、キズがつきにくく丈夫
・水に強く、汚れも落としやすいため、メンテナンスが容易
・スタイリッシュな空間演出ができる
一方、タイルには以下のデメリットがあります。
・クッション性がなく、足腰に負担がかかりやすい
・吸音性に欠けるため、音が反響しやすい
・冬場は、足元が冷たく感じる
・強い衝撃で割れる可能性がある
タイルは掃除がしやすく、見た目がスタイリッシュであるため、水回りや玄関などにおすすめです。
床材を選ぶ際、どこに着目すればいいのでしょうか?床材選びのポイントを、3つご紹介しましょう。
床材は、お部屋の印象を左右するだけでなく、快適性や機能性にも影響を与えます。それぞれのお部屋の用途に最適な床材を選ぶことで、より快適で機能的な空間を実現できるでしょう。
たとえば、こんなところに着目して選んでいただくと、お部屋の用途にマッチした床材選びができるでしょう。
玄関や廊下など人の出入りが多い場所では、耐久性が高く、キズや汚れに強い床材が求められます。
寝室やリビングルームなど、リラックスしたい場所では、快適さや美しさを重視した床材が適しています。
キッチン・脱衣室・トイレなどの水回りは、耐水性が高く、お掃除しやすい床材が向いています。
子どもや高齢者が過ごすお部屋は、滑りにくく、足腰への負担やケガのリスクが少ない床材が安心です。
寒冷地などの寒さが厳しい地域では、断熱性が高く、冬場でも温かみを感じる床材が適しています。
床はお部屋の大部分を占めるため、床材の色や柄によってお部屋の印象が大きく変わります。ですから、お部屋のインテリアスタイルを考慮して選ぶことがとても大切です。
たとえばモダンスタイルのお部屋なら、スタイリッシュなフローリングやフロアタイルが合うでしょう。北欧モダンスタイルのお部屋なら、明るい色のフローリングやカーペットがピッタリですね。
インダストリアルスタイルのお部屋なら、コンクリート調のフロアタイルや、武骨な印象のフローリングがいいでしょう。和モダンスタイルのお部屋なら、畳や木目の美しいフローリングが合います。
このように、お部屋のスタイルに合わせて床材を選ぶことで、空間全体の統一感を高めることができます。
床材にはさまざまな種類があり、価格が大きく異なるため、予算を考慮しながら最適な床材を選ぶことが重要です。
たとえば、同じフローリングでも、無垢・挽き板張り・突板張り・シート張りで価格が異なります。ですから、価格と機能性のバランスを考えながら、自分のニーズに合ったものを選ぶ必要があります。
なお、床材の材料費だけでなく、施工費も考慮してください。床材は種類によって施工の難易度が異なるため、施工費も異なります。
また、初期費用だけでなく、耐用年数やメンテナンス費用も考慮したいところです。初期コストが高くても、ローメンテナンスで長持ちする床材は、長期的に見るとお得になる場合があります。
最後に、お部屋別におすすめの床材をご紹介して終わりたいと思います。
玄関は、土足での使用や外部からの汚れに耐える必要があるため、丈夫な床材が推奨されます。掃除のしやすさも考慮するべきでしょう。
たとえば、玄関には以下のような床材がおすすめです。
・タイル
・フロアタイル
・クッションフロア
他にも、玄関には石材やモルタルを使う場合もあります。玄関は家の顔となる場所ですので、家の雰囲気に合った床材を選ぶとよいでしょう。
リビングやダイニングは、家族やお客さまがリラックスして過ごす場所です。ですからリビングやダイニングで使う床材は、快適性やデザイン性、そして機能性のバランスが重要です。
たとえば、リビングやダイニングには以下のような床材がおすすめです。
・フローリング
・クッションフロア
・フロアタイル
過ごし方やお掃除のしやすさ、デザイン、そしてご予算を考慮して適切な床材を選ぶとよいでしょう。
キッチン・トイレ・脱衣室は水を使うことが多いため、耐水性や清掃性、そして滑りにくさが重要です。
たとえば、キッチン・トイレ・脱衣室には以下のような床材がおすすめです。
・クッションフロア
・フロアタイル
・タイル
タイルは耐水性があり、水回りに適した床材です。ただし、目地の掃除が大変なところと、冬場に足元が寒くなる点は注意が必要です。
キッチン・トイレ・脱衣室ではフローリングも利用されますが、無垢フローリングよりも、耐水性や防汚性の高い複合フローリングがおすすめです。
寝室はリラックスして過ごす場所であるため、快適性や静音性、そして肌ざわりのよさが重要な選択基準となります。
たとえば、寝室には以下のような床材がおすすめです。
・フローリング
・カーペット
・畳
寝室では、冬場でも足元が冷えないような素材を選ぶと快適です。ダニが気になる場合は、フローリングや防ダニ加工のカーペットを選ぶとよいでしょう。
子ども部屋は、子どもが安全に、そして快適に過ごせる空間であることが大切です。そのため、安全性や耐久性、そして清掃性が重要な選択基準となります。
たとえば、子ども部屋には以下のような床材がおすすめです。
・フローリング
・カーペット
・クッションフロア
子どもが走り回る音を軽減したい場合は、防音性の高い床材を選ぶとよいでしょう。
床材の種類と特徴をご紹介しました。床材選びに、絶対の正解はありません。本稿でご紹介した選び方やおすすめの床材をヒントに、自分のニーズに合った床材を探してみてください。
床材選びに成功すると、インテリアに統一感が生まれるだけでなく、快適に過ごせるお部屋になります。ぜひ、床材にこだわって、自分らしい理想のお部屋を実現してくださいね。
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