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新築する際の楽しみのひとつに《壁紙選び》があります。インテリア雑誌やWebサイトでオシャレなお部屋を見ながら「これ、いいな」「これも、いいかも」と迷うところから楽しめますよね。
しかし、いざ選んだ壁紙をお部屋に貼ってみると「失敗した!」とか「思っていたのと違った……」と後悔される方がおられます。どうすれば、失敗しない壁紙選びができるのでしょうか?
本稿では《壁紙選びで失敗リスクを減らすのに有効な3つのポイント》をご紹介します。また、壁紙の具体的な選び方も解説しますので、お部屋を狙いどおりの雰囲気にしたい方は参考にしてください。
目次 |
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それでは、さっそく《壁紙選びで失敗リスクを減らすのに有効な3つのポイント》からご紹介します。以下に気をつけていただくと、あとで「しまった……」と後悔しにくくなりますよ。
・お部屋ごとの方向性を決め、完成イメージを明確にする
・できるだけ大きめのサンプル(A4サイズ以上)で確認する
・配色のバランス(カラーコーディネート)を考える
順番に詳しく解説していきます。
壁紙選びの第一歩は、完成後のお部屋のイメージを思い描くことです。各部屋の使い方に合わせて理想の雰囲気を決めておくと、壁紙の選択肢が絞られ、迷いにくくなります。
一般的なお部屋では、壁と天井に壁紙を貼ります。壁紙の選択肢を絞りこめていると、壁と天井の統一感を保ちやすくなるでしょう。床材との調和も考慮すると、よりまとまりのある空間になります。
具体的には、こんなふうにイメージを決めていくとよいでしょう。
・リビング ⇒ 明るくて、家族が自然と集まる雰囲気に
・寝室 ⇒ 落ち着きがあり、リラックスできる感じに
・子ども部屋 ⇒ 快活で、健やかな想像力を育める空間に
お部屋の雰囲気や完成イメージがつかめないときは、インテリア雑誌やインターネットで参考写真を探すといいでしょう。
インテリアのスタイルをキーワードに探していくと、理想のイメージにたどり着きやすくなります。
たとえば、こんなキーワードで探してみてください。お好みのイメージの写真が、見つかりやすくなりますよ。
・工業系:ブルックリンスタイル、インダストリアルスタイル
・モダン系:モダンスタイル、スカンジナビアスタイル、ミッドセンチュリーモダンスタイル
・自然体系:シャビーシックスタイル、フレンチカントリースタイル、ラスティックスタイル
・リゾート系:コースタルスタイル、トロピカルスタイル、コロニアルスタイル
・クラシック系:トラディショナルスタイル、アンティークスタイル、レトロスタイル
お部屋ごとに方向性を決めたり完成イメージを明確にしたりすることを怠ると、以下のような問題が生じます。
・統一感の欠如
・選択肢の過多
・イメージと完成後の相違
統一感が欠如すると、部屋がゴチャゴチャした印象になり、居心地の悪い空間になってしまう恐れがあります。
壁紙の選択肢が広がりすぎると、逆に選びにくくなるでしょう。実際に貼ったときに「思っていたのと違う」と感じるリスクも、高くなります。
お部屋ごとに方向性を決め、完成イメージを明確にすることが、失敗リスクを減らすための鍵となります。
壁紙のカタログに貼ってある小さなサンプルだけでは、正確な印象を把握しづらいです。できるだけ大きめのサンプル(A4サイズ以上)で確認することが重要です。
とくに柄物の壁紙は、小さなサンプルと大きなサンプルではまったく印象が異なることも珍しくありません。必ず、大きめのサンプルを取り寄せてもらい、それを見て採用の可否を判断してください。
無地のクロスでも、色の面積効果(面積の違いで、同じ色なのに違う印象を受ける)の影響を受けます。サンプルのサイズが小さいと、実際に壁に貼ったときに以下のような差異が生じます。
・明度:サンプルより薄く、明るく見える
・彩度:サンプルより鮮やかに見える
・色相:サンプルより色合いが強調される
このような違いが生まれると言うことは、小さなサンプルで見たときに「少し暗いかな?」「少しくすんでいるかな?」と思うぐらいの色が、壁に貼ったときにちょうどいいということになります。
なお、大きなサンプルを使用すると、壁紙の質感や手触りを実際に確認することもできます。床材やドア、家具などの色との相性もチェックしやすいでしょう。
また、壁紙の色は照明の種類や当たり方によっても見え方が変わります。自然光あるいは照明の下など、条件を変えて確認することで、実際の部屋での見え方をより正確に把握できます。
配色のバランスを考えることで、お部屋全体の統一感を保つことができます。配色を考える際には、色の比率を参考にするとよいでしょう。色の比率には、セオリーがあります。
カラーコーディネートに自信が持てない方は、ぜひ以下の比率で配色のバランスを検討してください。
・ベースカラー(基調色):全体の70%くらいを占める色
・アソートカラー(従属色):全体の25%くらいを占める色
・アクセントカラー(差し色):全体の5%くらいを占める色
具体例を見てみましょう。
こちらは、天井や床に貼られたナチュラルな白木の色がベースカラーになっています。キッチンの腰壁やダイニング家具も、ベースカラーをフォローしています。
アソートカラーを担うのが、ホワイト系の壁紙とローソファです。スタディーコーナーのグレータイルがアクセントになっています。
こちらは、ホワイト系の壁紙がベースカラーとなり、お部屋の奥まで反射光を運び届けています。床・壁・家具の木の色が、アソートカラーになっています。
窓枠のブラックがアクセントカラーとなり、空間をしっかり引き締めています。
新築時の壁紙選びにおいて配色のバランスを考えることは、失敗リスクを減らすための重要な要素です。
配色バランスが乱れると、調和が欠如して、視覚的に落ち着かない空間になりがちです。オシャレな印象にしたい方は、しっかり配色バランスを整えていただくとよいでしょう。
つづいて、具体的な壁紙の選び方をご紹介します。
多くの方は、デザインで壁紙を選ばれると思います。もちろんデザインは大切なのですが、それ以外にも着目していただきたいポイントがありますので、ご紹介しましょう。
壁紙は、特定のニーズに応じたさまざまな機能を持っています。そのような機能性も考慮することで、より快適で実用的な空間を実現できます。
代表的な機能性壁紙の例をあげてみましょう。
・汚れ防止機能
・消臭機能、防臭機能
・抗菌機能、抗ウイルス機能
・吸放湿機能
・高耐久性
他にも、以下のような特殊な機能を持った壁紙もあります。
・蓄光壁紙 (絵柄に光を蓄え、消灯後20分ほど淡く光る)
・黒板壁紙 (チョークで絵や文字を描ける)
・エコリフレクト壁紙 (光を反射・拡散させて部屋を明るくする)
たとえば、水回りスペース(キッチン、トイレ、洗面脱衣室など)なら「汚れ防止機能、消臭・防臭機能、抗菌・抗ウイルス機能」があると便利でしょう。
リビング・ダイニングなら「消臭・防臭機能、抗菌・抗ウイルス機能、高耐久性」が効果を発揮します。子ども部屋なら「蓄光、黒板」などの機能性壁紙が活躍します。
ぜひ、デザインだけでなく、お部屋の用途に応じた機能性も一緒に検討してください。
色は、空間の雰囲気や居住者の気分に大きな影響を与えます。適切な色を選ぶことで、快適な住環境をつくることができます。
たとえば、モノトーン系の色には以下のような心理効果があります。
・白色:清潔感や安らぎ、拡張感、すっきりとした印象を与える
・黒色:高級感や重厚感、収縮感、後退感、重量感を与える
黒色については、以下の記事でも詳しく解説しています。外壁を黒色にしたい方は、ぜひ参考にしてください。
近年人気のニュートラルカラーには、以下の心理効果があります。
・グレー系:シックで落ち着いた、大人っぽい印象を与える
・ベージュ系:リラックスや穏やかさを感じさせる効果がある
ニュートラルカラーは《洗練された印象》を演出しやすく、《どんなインテリアにも合わせやすい》、あるいは《流行に左右されにくい》というメリットがあります。
明るめのニュートラルカラーはベースカラーとして利用でき、昨今では白系壁紙の代わりによく使われています。暗めのニュートラルカラーなら、アソートカラーに適しています。
一方、ビビッド系の色も、以下の効果が期待できます。少し主張の強い色ですので、アクセントカラー等で少量をうまく使うとよいでしょう。
・青色:冷静さやリラックス感、集中力を高める
・緑色:自然を感じさせ、リラックス効果がある
・黄色:元気を与え、楽しい気持ちにさせる
・赤色:情熱や活力を与える色で、興奮感を促進
・橙色:温かみや親しみを感じさせる
・紫色:高貴さや神秘性、落ち着いた印象を与える
ぜひ、色の持つ心理効果も活用して、オシャレで快適な住環境を実現してください。
壁等の一部に異なる色や柄の壁紙(クロス)を取り入れるインテリアデザインの手法を《アクセントクロス》と言います。
アクセントクロスは、個性的でオシャレな空間をつくるうえで有効な手段です。うまく活用することで、以下のようなメリットを享受できます。
・適切に選ぶことで、空間をより魅力的に演出できる
・視覚的なインパクトを与え、空間に面白みを持たせられる
・他の壁とのコントラストが生まれ、躍動感が生まれる
ただし、近年ではアクセントクロスの使用は控えめになってきています。白系やニュートラルカラーを基調とした清潔感のある空間に、アクセントクロスは必要最小限で利用されています。
アクセントクロスの使い方の注意点をご紹介しましょう。
・使いすぎると、部屋の統一感が失われ、ゴチャゴチャした印象を与えてしまう
・無難な色を選んでしまうと、アクセントとしての効果が薄れ、中途半端になってしまう
・個性的すぎる色や柄の壁紙は、コーディネートを誤ると悪目立ちする
・石目調や木目調などのプリントによるフェイクの壁紙は、質が低いと安っぽい印象になる
アクセントクロスは、選び方や使い方を誤ると、オシャレではない印象になってしまいます。お部屋全体との調和を意識して、色柄や面積を決めましょう。
たとえば、折り下げ天井をアクセントクロスにするなど、壁にこだわらない使い方も増えています。
壁紙は《F☆☆☆☆》の製品を利用することが推奨されます。この等級はホルムアルデヒドの放散レベルを示していて、シックハウス症候群のリスクを軽減するための重要な指標です。
ホルムアルデヒドは、ノリの防腐剤や接着剤の原料に用いられているため、壁紙もホルムアルデヒドを発散する可能性があります。
シックハウス症候群の症状は人によって異なりますが、おもなものに「目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹」などがあります。
ホルムアルデヒドの放散レベルはJISやJAS、または国土交通大臣認定によりランク付けされています。星の数でランクを付け、数が増えるほど発散量が少ないことを表わしています。
現在の最高等級は《F☆☆☆☆ (フォースター)》で、建築基準法の規制を受けずに使用できます。
《F☆☆☆》や《F☆☆》、および未表示品は、居室の種類および換気回数に応じて使用できる面積が制限されます。
新築時には、フォースターの壁紙を選ぶと安心です。
壁紙選びで失敗しないようにするコツと、具体的な壁紙選びのポイントをご紹介しました。本稿をヒントに、安全かつ快適に過ごせて、お部屋がオシャレに見える壁紙を選んでください。
壁紙選びは誰でもできますが、貼ったあとで「思っていたのと違う」となりやすい作業でもあります。失敗や後悔を避けたい方は、壁紙選びのコツやポイントを押さえておきましょう。
コーディネートのイメージを膨らませたい方は、ぜひ創建ホームのモデルハウスの見学にお越しください。インテリアコーディネーターによる、壁紙のコーディネートをご覧いただけます。
モデルハウスなら、インテリア雑誌やWebサイトでは感じ取れない、実物ならではの質感や臨場感をご体感いただけます。本物を見て、家づくりの参考にしてください。