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レンジフード(換気扇)の自動洗浄機能とは?便利?デメリットある?

レンジフード(換気扇)の自動洗浄機能とは?便利?デメリットある?

レンジフードの掃除 ―― と聞くだけで気が重くなる方も少なくないでしょう。とくに、ファンやフィルターにこびりついた油汚れは、落とすのに時間も労力もかかる厄介な存在です。

そんな悩みを解決してくれるのが「自動洗浄機能付きレンジフード」です。最近では「ファンの掃除が10年間不要」とうたう製品も登場し、注目を集めています。

本稿では、自動洗浄機能の特徴メーカーごとの違い、そして導入時のチェックポイントまで幅広く解説します。新築やキッチンリフォームをご検討中の方は、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

レンジフードの自動洗浄機能とは

レンジフードの自動洗浄機能とは

さっそく、自動洗浄機能の仕組みや主なメーカーの特徴から解説します。

そのあと、導入時のチェックポイントをご紹介します。あなたにとって「自動洗浄機能」が必要かどうかを判断する際のヒントにしてください。

自動洗浄機能の概要

レンジフードの自動洗浄機能は、主にシロッコファンやフィルターに付着する油汚れを自動で洗い流すためのものです。

シロッコファン:円筒状の換気扇で、空気を効率的に押し出せる
フィルター:調理中に発生する油煙を捕え、内部の汚れを軽減する

メーカーや機種によって多少の違いはありますが、自動洗浄の基本的な流れは以下のようになっています。

1.ユーザーが給湯トレイに40~45℃のお湯をセットする
2.洗浄ボタンを押すと自動洗浄サイクルが開始される
3.シロッコファンやフィルターが自動で洗浄される
4.洗い流された油汚れを含む汚水が排水トレイにたまる
5.洗浄完了後、排水トレイにたまった汚水を捨てる
6.トレイを洗ってお手入れ完了

先述のとおり、自動洗浄機能で洗浄されるのは主にシロッコファンやフィルターです。これらの部品は、調理中に油煙が通過するため、レンジフード内でもとくに油汚れが蓄積しやすい場所です。

自動洗浄機能でシロッコファンやフィルターを洗浄できれば、ユーザーの負担が大きく軽減されるでしょう。同時に、レンジフードの性能も長期間維持できます。

主なメーカーの特徴

レンジフードの各メーカーは、シロッコファンのお手入れの手間を減らすためにさまざまな工夫を凝らしています。

たとえばクリナップは、お湯を使った「自動洗浄」機能でフィルター内蔵のシロッコファンを洗い流す方式です。

一方、TOTOやタカラスタンダードは独自の油捕集構造で「そもそも、シロッコファンに油汚れを付きにくくする」というアプローチを取っています。

Panasonicや富士工業は、両方式をラインナップしています。もう少し、詳しく解説しましょう。

▼全体的な傾向

自動洗浄機能または高い油捕集能力を持つレンジフードの多くは「10年間、シロッコファンのお掃除不要」をうたっています。

レンジフード内部がまったく汚れないわけではありませんが、長期間ファンを取り外して手洗いする必要がないため、メンテナンスが非常にラクです。

自動洗浄機能付きの機種は、多くの場合、お湯や洗剤を入れたトレイをセットしてボタンを押すだけで自動的に洗浄できます。洗浄サイクルは「2ヶ月に1回」程度が推奨されています。

なお、排水トレイに洗浄後の汚水がたまるため、それを捨てる必要があります。

▼クリナップ (Cleanup):洗エールレンジフード

クリナップの「洗エールレンジフード」は、ボタンひとつでフィルター内臓のシロッコファンをまるごと自動洗浄できます。

具体的には、まず浸け置き洗浄で油汚れを浮かび上がらせます。次に、回転と停止を繰り返すことで発生する水流を油汚れに衝突させて洗浄します。

排水と乾燥を経て、合計約10分間で洗浄が完了します。あとは、排水トレイの水を捨てるだけです。

参考:クリナップ「洗エールレンジフード」

▼パナソニック (Panasonic):ファンフィルター自動洗浄

パナソニックの「ファンフィルター自動洗浄」もクリナップと同様にシロッコファンとフィルターが一体構造になっており、温水でまるごと自動洗浄できます。

一方、パナソニックには以下の機能を持つ「ほっとくリーンフード」という商品もあります。

ラクウォッシュプレート:ほとんどの油を捕集できる
油トルネード機能:ファンが高速回転して油汚れを吹き飛ばす

ほっとくリーンフードは、このふたつの機能により、ファンに汚れがつきにくくなっています。

参考:パナソニック「ファンフィルター自動洗浄」
参考:パナソニック「ほっとくリーンフード」

▼富士工業 (FUJIOH)・LIXIL・リンナイ:自動洗浄機能

LIXILやリンナイ(Rinnai)のレンジフードは、富士工業がOEM製造(相手先ブランド製造)しています。富士工業も、パナソニックと同じく両方式を採用しています。

自動洗浄では、独自形状のノズルでお湯を広範囲に噴射し、ファンを回転させながら洗浄します。

一方、シロッコファンの手前で油を捕集する機種(オイルスマッシャー)は、ファン自体に油がほとんど付着しません。こちらも、お掃除の手間を減らしてくれます。

参考:富士工業「自動洗浄機能」
参考:富士工業「オイルスマッシャー」

▼TOTO:ゼロフィルターフードeco

TOTOの「ゼロフィルターフードeco」は、自動洗浄機能とは異なるアプローチで「ファンのお手入れ10年間不要」を実現しています。

ファン自体に油をはじく加工が施されており、油汚れがこびりつきにくくなっています。また、ファンが回転する際に油を遠心力で弾き飛ばし、その油を専用の受け皿で捕集してくれます。

手作業のメンテナンスは、捕集した油の受け皿とフードの下面の板(整流板)を定期的(推奨は月1回程度)に拭き取ったり洗ったりするだけでOKです。

TOTO「ゼロフィルターフードeco」

▼タカラスタンダード (Takara Standard):キープクリーンフード

タカラスタンダードと言えば「ホーロー」です。同社のキープクリーンフードも、日常的にお手入れの必要な部分がホーロー製になっています。

たとえば、以下のパーツはサッと拭くだけで簡単にお手入れ可能。ホーローならではの強みです。

フードパネル(レンジフード下面)
整流板(フードパネルに取り付ける板)
フィルター(油を捕集するパーツ)

整流板は、汚れを簡単に洗い流すこともできます。フィルターについては、食洗機で洗うことも可能です。

また、独自のフィルタリング構造により、ファンに至るまでの経路で約90%の油汚れを捕集できます。

自動洗浄方式ではありませんが、清掃の手間の少なさは同等です。内部にあるシロッコファン等を取り外して手洗いする作業は「10年間不要」となっています。

参考:タカラスタンダード「キープクリーンフード」

導入を検討する際のポイント

シロッコファンの自動洗浄機能付きレンジフードの導入を検討する際、ショールームで実物を見て、使い心地を体験することが大切です。

以下のポイントを総合的に考慮することで、後悔のない選択ができるでしょう。

お掃除が不要になる範囲
メーカーが推奨する洗浄頻度
お湯のみか、洗剤併用か
フィルターの有無
洗浄時間
静音性
給水・排水の手軽さ
デザイン
価格
省エネ性(水道代・電気代)
コンロと連動できる機能

また、シロッコファンの自動洗浄機能は非常に便利な機能ですが、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。

たとえば、こんな人には向いていない(恩恵が少ない)かもしれません。

初期投資を極力抑えたい人
油を使った料理をほとんどしない人
自炊頻度が低い人
ランニングコストが気になる人

一方、以下の人には向いているでしょう。有効活用できるのではないでしょうか。

日々の家事負担を減らしたい人
レンジフードの掃除が苦手な人
油を使った料理を頻繁にする人

結局のところ、自動洗浄機能の導入は「どれだけ家事負担を減らしたいか」「油汚れの掃除にどれだけストレスを感じているか」という個人のニーズに大きく左右されます。

ご自身の家事に対する考え方や、キッチンの使用頻度をよく考慮して判断することをおすすめします。


知っておきたい自動洗浄機能のデメリット・注意点

知っておきたい自動洗浄機能のデメリット・注意点

レンジフードの自動洗浄機能は大変便利ですが、知っておきたいデメリットや注意点もあります。

主なものをふたつご紹介しましょう。

まったく汚れないわけではない
完全に自動というわけではない

それぞれ、詳しく解説します。

まったく汚れないわけではない

「自動洗浄」という言葉から「完全にお手入れフリー」というイメージを持つかもしれません。しかし、自動洗浄機能のあるシロッコファンでも、まったく汚れないわけではありません。

▼外装・吸排気口周辺・整流板は手拭きや手洗いが必要

自動洗浄機能が働くのは、主にシロッコファンと一部のフィルター(ファン一体型など)です。以下は自動洗浄の対象外であり、定期的な手拭き・手洗い掃除が必要です。

レンジフードの外装
給排気口の周辺
整流板

調理中の油煙は、ファンで吸い込まれる前にこれらの部分にも付着するため、定期的にお掃除が必要です。

▼シロッコファンやフィルターも長期的にはお掃除が必要

シロッコファンやフィルターも、メンテナンスフリーではありません。こびりついた頑固な汚れや洗浄液が届きにくい隙間などに、時間の経過とともに油分が蓄積されます。

この蓄積された汚れを「10年に1度」くらいの頻度でお掃除する必要があります。よって、自動洗浄は《あくまで分解清掃の手間を減らすための機能》である点に留意してください。

完全に自動というわけではない

「自動洗浄」という言葉を聞くと「一切お手入れ不要で、いつもピカピカ」というイメージを持つかもしれません。実際には、ユーザーが対応する必要がある作業がいくつかあります。

たとえば、以下は手作業でおこなう必要があります。

自動洗浄をおこなう際に、給湯トレイにお湯をセットする
洗浄後に排水トレイの汚水を捨て、トレイを洗う

また、先述のとおり、内部もまったく汚れないわけではありません。さらに、外装や整流板などの《自動洗浄の対象外》の部分は、定期的に手拭きや手洗いをおこなう必要があります。

頑固にこびりついた汚れや、洗浄液が届きにくい隙間などの汚れも、自分で除去しなければなりません。

このように「完全に自動ではない」という点を理解しておくことが大切です。


自動洗浄機能ならではのメリット

自動洗浄機能ならではのメリット

自動洗浄機能の最たるメリットは、レンジフードの掃除でもっとも手間がかかる《シロッコファンの分解・浸け置き・手洗い作業》を自動化してくれるところではないでしょうか。

この自動化によって、ファンの油汚れによる目詰まりを防ぎ、レンジフード本来の吸引力を長く持続できます。その結果、静音性や節電効果も維持できるでしょう。

それぞれ、もう少し詳しく解説します。

お手入れが劇的に簡素化される

自動洗浄機能のあるシロッコファンなら、お手入れを劇的に簡素化できます。

従来のシロッコファンのお掃除は、多くの方が「やりたくない家事」のひとつにあげるほど手間がかかります。

具体的には、こんな作業が必要です。

高所にあるファン本体の取り外し
油まみれの部品の洗浄
元の位置への取り付け

自動洗浄機能は、この時間と労力と精神力を要する作業を簡素化してくれます。

従来のレンジフードでは、汚れが目立ってきてから重い腰を上げて掃除を始める、という方が多いでしょう。一方、自動洗浄機能なら2ヶ月に1回程度の「ボタン操作+給排水」で済みます

ファンやフィルターの手洗いがなくなることで、心理的な負担とお掃除にかかる時間が大幅に軽減されます。

レンジフード本来の吸引力を長く維持できる

自動洗浄機能のあるシロッコファンは、レンジフード本来の吸引力を長く維持するのにとても効果的です。

レンジフードの吸引力が低下する主な原因は、以下のふたつです。

フィルターが目詰まりを起こし、吸い込みにくくなる
シロッコファンに油汚れが蓄積して、効率的な回転や送風ができなくなる

自動洗浄は、とくにシロッコファンの油汚れの蓄積を防ぐことに特化した機能です。定期的に洗浄することで、油汚れがファンにくっつく前に洗い流せます。

その結果、シロッコファンが比較的キレイな状態に保たれるため、高い吸い込み能力を持続できます

シロッコファンを清潔に保つことで、モーターへの負担も軽減できるため、レンジフードの長寿命化にも貢献するでしょう。

換気性能維持による静音・節電効果が期待できる

自動洗浄機能のあるシロッコファンなら、長く使っても音がうるさくなりにくく、節電効果も維持しやすいです。

▼長く使っても、音がうるさくなりにくい

従来のレンジフードは、お掃除を怠ると、油汚れの蓄積によって徐々にモーターへの負荷とシロッコファンへの空気抵抗が増加しました。

一方、きっちり自動洗浄を実施したレンジフードなら、低い回転数とスムーズな運転を持続できます。その結果、静音性も維持されやすくなります。

▼長く使っても、消費電力が上がりにくい

シロッコファンが油汚れで重くなると、必要な換気量を得るために、モーターがより高い出力で、より長い時間稼働しなければならなくなります。その結果、電力消費量が増加します。

一方、自動洗浄で換気性能が維持されていれば、素早く室内の空気を入れ替えることができるため、レンジフードの運転時間を短縮できます。ムダな電力消費を抑え、節電につながるでしょう。


【まとめ】自動洗浄機能付きレンジフードでお掃除の負担を減らそう

レンジフードの自動洗浄機能は、シロッコファンやフィルターのお掃除にかかる手間を大幅に軽減してくれます。とても便利な機能で、従来の分解・手洗い作業と比べればその差は歴然です。

一方「そもそも、ファンに油汚れを付きにくくする」というアプローチの製品もあります。ご自身の調理スタイルや掃除に対する優先度をふまえて、最適なものを選んでください。

いずれも「なるべく掃除の手間を省きたい」「換気性能を長持ちさせたい」という方には、頼もしい選択肢となるでしょう。キッチンをより快適な空間にするためにも、ぜひ検討してみてください。

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